ビートルズが出てくる前の時代、若者たちのカリスマ的存在だったのが、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)でした。

私が洋楽を聞き出した頃は、もう既に「過去の人」と呼ばれていましたが、そんな彼が最後に放った全米チャート1位のシングル曲が「サスピシャス・マインド」(Suspicious Minds)です。

1969年といえば、ちょうどビートルズが解散するしない、でゴタゴタしていた頃。

そんな時期に、「キング・エルヴィス」が最後の大ヒット曲を出していたんですね。

曲はもともと1968年にマーク・ジェイムズ(Mark James)が作詞作曲して自らも発表していたもの。

「疑いの心を持ったままじゃ、やっていけないよ」と恋人に語りかける内容で、のちにファイン・ヤング・カニバルズ(Fine Young Cannibals)も同曲をカバーしてヒットさせています。

エルヴィスについて私が持っていた当時のイメージは、ひらひらした飾り物が袖のところについた衣装を着て、ステージ上を汗まみれになりながら歌い歩く歌手。

これは、映画「エルヴィス・オン・ステージ」(Elvis: That’s the Way It Is) (1970年)から来るイメージが大きかったのでしょう。

ステージ上から汗を拭いたストールを客席に向けて投げると、見に来ていた女性たちが歓声をあげてそれを取り合う姿に「女性人気がすごいんだな」と思った私。

彼がどれだけ偉大な業績を残した歌手だったかを知るのは、それからかなり経ってからでした。